うつの鍼灸施術

 
 

うつの原因とは

うつの原因とされているのはやはりストレスだと言われています。
 
それではなぜストレスを感じるとうつを発症するのでしょうか。
 
有力な説としてストレスを感じると副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が分泌されます。コルチゾールを作るにはタンパク質を分解した形であるアミノ酸、ビタミンB群、ミネラルが必要です。
 
その結果、これらの栄養素が不足して脳内で神経細胞同士の間の情報伝達を担う神経伝達物質の合成が滞るとされています。
 
その中でも主にセロトニン(心を落ち着かせる働き)、ノルアドレナリン(やる気を作る働き)ドーパミン(喜びを感じさせる働き)が失調しているということです。これにより、抑うつ気分になります。
 
実際、それらを補う作用のある抗うつ薬もあります。
 
加えて栄養不足になってしまうと、エネルギー代謝がうまく行かず、体の全活動の元となるエネルギーが枯渇し体も頭も心も機能し辛くなるとされています。
 
またストレスを感じると、どうしても筋肉が硬く緊張します。筋肉を緩めるのにもエネルギーが必要なのです。
体幹部、特に上位の筋肉は影響を受けやすく、首や肩や背中のコリや痛み、頭痛の元となります。

うつの原因
 

うつの鍼灸施術

鍼灸のうつに対するの考え方の二本の柱があります。
 
ず脳への血流を快復させるということです
そのためにはまず心臓から脳への通り道となる頚部の筋肉を緩め頭に血を流れやすい状態にすること。
 
更に頭鍼を行い脳自身の血流をよくします
 
fMRI(functional magnetic resonance imaging)によってうつ病患者は思考や創造性を担う脳の最高中枢と考えられ、生きていくための意欲や、情動に基づく記憶、実行機能などを司る脳の前頭前野(前頭葉から運動野を除いた部分)の血流が不足していることがわかっています。
 
実際、中国の鍼灸本を紐解くと百会や印堂、額中線、額傍2線と前頭部から頭頂部への刺鍼が多く見られます。

更にもう一つ治療の柱となるのが、筋緊張をほぐし痛みやコリ等、運動器疾患の症状をとるということです。

首、肩、背中のコリや痛み、頭痛、腰痛ですね。
 
これらを解消してストレス軽減の手助けをします。また首や脊椎の両サイドを緩めると自律神経の調整作用があり、活動と休息の切り替えを手助けします。
 
痛みやコリ等、運動器疾患による症状に鍼は有効なのですが、意欲の低下や抑うつ気分に関しては満足いく効果が得られない事がありました。
特に長患いの場合はそれが顕著で、何か良い方法はないかと模索していました。

 
 
うつ 鍼 鬱

うつの施術例。
夾脊穴への刺鍼。自律神経の調整となります。症状や感受性により、頭部、頸部にも刺鍼することがあります。

うつには栄養療法を併用するのが有効


上述した症状に調べていた所、精神科医こてつ名誉院長のブログに出会い、栄養療法を知りました。目を通してみると納得できる内容だったので、頭に叩き込んで自分の体でまずは実践し効果を体感できたので、今では患者さんにお薦めしています。
 
栄養療法は端的に言うと、まず食事とプロテインやEAA(必須アミノ酸でありプロテインの上位互換的位置づけ)で動物性タンパク質を摂取します。
 
この時に気をつけなければならないのは、摂取量をいきなり増やしすぎないということです。いきなり増やすと腹の膨満感(私が経験済み)、下痢になります。
 
タンパク質を規定量摂れるようになってから、それを土台にして食事とサプリメントで、ビタミン、鉄を始めとするミネラルを摂取します。
これらはエネルギー代謝や神経伝達物質が作られるのに必要な栄養素です。
 
反対に制限するのは精製された糖質です。
精製された糖質を摂ると結果的にビタミンB群やミネラルが不足し、エネルギー代謝や神経伝達物質の妨げになります。
 
精製された糖質を制限する代わりにエネルギーとして脂質をある程度摂ります。
詳しい内容は『うつ消しごはん』を読まれるのが良いでしょう。
 
下の動画では著者の藤川徳美先生がこれらの栄養素がなぜ必要なのか、制限すべきなのか説明しています。
興味がある方はどうぞ。




うつの養生法とは

では日常生活ではどのような点に気をつければいいのでしょうか。
肩こりの養生法と同じなのですが長時間手元を見たり、うつ伏せで読書する姿勢を避けます。

次にムリなく続けられる運動が良いです。勿論、そんな気力が無い時は控えます。しかし、できそうならやってみて下さい。
体を動かすことにより全身の血流が良くなります。

オススメの運動は特にありません。
ムリなく続けられれば何でも良いかと思います。
ただ、ウォーキングよりジョギングの方が効果が高いというデータがありますので、ある程度心拍数を上げてやった方が良いのだと思いますが、あくまでも続けられる強度でやるのが良いでしょう。