肩こり・寝違い・ムチウチ・頚椎症の症状とは
これら4つの疾患は首とその周りの筋肉等、 軟部組織の緊張や痙攣、癒着、損傷によるもので、共通する点が多くまとめて説明していきます。
肩こり
まず肩こりは首、肩、背中、肩甲骨間部のこり感や、ダルさ、痛み、場合によって悪心や吐き気、頭痛、口内炎、歯の痛みや浮いた感じ、息苦しさ、食欲不振、腹部の膨満感、動悸、喉のつまりや違和感(梅核気・ヒステリー球)等があります。
寝違い
次に寝違いは首やその周囲の筋肉が痙攣する急性疾患です。急性の為に症状は強い事が多く、動かすと首・肩だけではなく背中まで痛む事があります。起床時に発症する事が多いです。 酷い場合は 首が動かせず首の真上に頭が無いと動けません。振り向く時は体ごと捻り、ベッドから起き上がる時は両手で頭を支えなければならない事もあります。
ムチウチ
そしてムチウチの症状は急性期には寝違いの様に強く痛み、慢性期になると肩こりや上肢に痺れがでたり、 自律神経症状は気分が悪い(悪心)、更に嘔吐、めまい、倦怠感、不眠等(ムチウチ症のように首が原因で自律神経症状が出ている場合はバレリュー症候群といいます)が出ることもあります。
頸椎症
最後に頚椎症は頚椎つまり首の骨、もしくはその周囲の組織によるの疾患の総称です。広義では肩こりや寝違い、ムチウチも含みます。症状も上の3つと同じです。またこれは頚椎症に限らずですが、首肩だけでなく、腕にまで症状がある場合はちょっと進んだ状態です。初期のうちでしたら首だけ刺鍼すれば良いのですが、ある程度の期間が経過していると腕にも刺鍼しなければなりません。狭義では頸部椎間板ヘルニア、頸部脊柱管狭窄症、変形性頚椎症、後縦靭帯骨化症等が該当します。
椎間板ヘルニアは、頚の骨と骨の間の軟骨が間から飛び出して肩や上肢、胸、肩引き(肩甲骨の内縁)に枝を出す腕神経叢を圧迫します。頚のヘルニアなら鍼で筋肉を緩めて頚を牽引するのが良いとされています。
脊柱管狭窄症や変形性頚椎症、後縦靭帯骨化症は骨が増殖して脊髄や神経を圧迫しています。鍼では増殖した骨を削る事は不可能ですから、これらの痛みには無効です。一時的に少しコリが楽になる位でしょう。反対に痛みが増殖した骨が原因では無く、筋肉ならば鍼で改善します。
骨が増殖していても無症状の場合があり、症状の原因は筋肉だという場合があります。筋肉が原因でも画像診断ではわからないので、骨が原因か筋肉が原因か分かりづらいのですが、鍼をすれば4回で判断できます。