理論は明快!
凝り固まった筋肉に直接刺鍼して緊張を緩める事で
少ない回数で効果を上げる。
これが北京堂鍼灸京都のスタイルです。

筋肉が緊張すると痛み・しびれ・だるさの原因となります。同じ姿勢がしばらく続いたり、体を酷使すると筋肉が固くなってしまい中を走行する神経や血管が圧迫を受ける事で不快な症状に繋がってしまいます。北京堂鍼灸京都では鍼で緊張を緩めて圧迫を解消し改善を図ります。
緊張した筋肉に刺鍼すると、脳は体内に異物が入ったと認識します。すると、異物を取り除くために刺鍼した箇所(筋肉)の血流を増加させようとします。これが、鍼が筋肉の血流を増加させる仕組み(体の反応)です。

では、なぜ血流が増加すると痛み・しびれ・だるさが緩和するのでしょうか?

血流と痛み・しびれ・だるさとの関係

血流はなぜ大事?

それではなぜ血流が増すと改善するかを説明します。世間一般でも「血のめぐりを良くしなさい」と、よく言われます。テレビの健康番組でもよく耳にしますよね。そもそも血液はどのような役割をしているのでしょうか。 血液は体中を巡り、組織に酸素と栄養を供給し、代謝によって排出される二酸化炭素や老廃物、そして痛み物質を回収する役割を担っています。
血管は筋肉の中を通っているので、筋肉が凝ると血管が圧迫され、血行が悪くなります。ホースが踏まれると中を通る水の流れが悪くなるのと一緒ですね。血行が悪くなると血液の役目を十分果たせません。つまり酸欠、栄養不足、加えて老廃物、痛み物質が蓄積してしまいます。 そうなると筋肉を緩めるのに必要なエネルギー(≒ATP)の代謝不良につながりエネルギーが十分に産生されず筋肉は緩みません。 ですから、刺鍼して血行を良くする事が筋肉を緩める橋渡しになります。この筋肉を緩めるということが鍼の存在意義ですね。

神経が圧迫されると・・・

筋肉が凝ると血管だけではなく、神経も圧迫を受けます。神経が圧迫を受けるとどうなるのでしょうか。まず感覚神経であれば違和感から始まり、ハリ感、重ダルさ、痛み、しびれ、最終的には感覚の麻痺がおこります。次に運動神経なら絶えず筋肉が緊張しっぱなしであったり、体を動かし辛くなります。 このような事が続くと、、、

1.筋肉の緊張 → 2.血管・神経が圧迫される → 3.血流不足・痛み → 4.血流不足による痛みの慢性化 → 5.痛みにより身を固くする → 6.筋肉の緊張

という痛みの悪循環になります。 そこで鍼でこの悪循環を断ちきり改善を図るわけです。

自律神経などが圧迫されると

さらに筋肉の緊張により、自律神経が圧迫されると、不眠やイライラ・胃腸の不調・便秘・息苦しさ・動悸などの自律神経症状が出ます。耳を司る内耳神経が圧迫されれば、耳鳴り・難聴・めまいがおこります。これら筋緊張により血管、神経が圧迫されて出る症状を、「筋肉絞扼障害」と呼びます。

軟部組織損傷にも鍼は効果的

もう一つ鍼で改善する理由の柱となるのが

  • 転倒や打撲、引っ張られたり、圧迫等、人体に強い力が加わる
  • 運動器疾患の病変
  • 手術による損傷
  • 治癒後の機能障害が残る

上記の様な事があると筋肉を包む筋膜同士、筋膜と骨または靭帯、神経、血管が癒着します。また瘢痕化と言って筋肉が血管の数が少なく、柔軟性に乏しい組織に置き換わる事もあります。このように筋肉を始めとする軟部組織が損傷するのです。 すると動きが制限されたり、動かしたときに血管や神経に張力が加わると、痛み、だるさ、しびれ、腫れぼったさが起こり、癒着や瘢痕化を起こしている筋肉は萎縮したり、太くなったり、短くなったり、柔軟性が乏しくなってしまいます。これは中国人整骨科医の朱漢章が提唱しました。
このような損傷部位を刺鍼することで癒着を取ったり、瘢痕化した筋肉を元の状態に戻してやることで症状が改善します。この筋肉絞扼障害と軟部組織損傷、この2つの理論に基づき鍼によって症状改善が期待できるというのが当院の考えです。

鍼で改善される症状とは?

鍼で改善する症状は、血液循環障害による不調

このような症状が出ていませんか?
お風呂に入ると痛みが和らぎ、冷やすと悪化する / 酒を飲んでいる途中や翌日に悪化する / 寝ていると、夜中から起床時に痛みが出る / 運動したあとは痛みが悪化する / 台風が来たり雨が降ると痛みが出る

お風呂に入ると痛みが和らぎ、冷やすと悪化する

温めると、その部分の温度が異常に高くなるので、その熱を血液で他所へ持って行くために、血管が拡張して血液循環が良くなります。だから温めて痛みが和らげば、まず血液循環障害なので、鍼施術の対象です。逆に冷えると痛みます。中国医学では「温まれば血流が良くなり、冷えれば血も凝固する」といって、曇りや雨など、寒い日に鍼をしてはならないと書かれています。

温泉

酒を飲んでいる途中や翌日に悪化する

酒を飲むと血液循環が良くなるから、痛みが悪化するはずがないと思いたいのが人情です。確かに酒を飲むと、人間の毛細血管が広がって赤くなり、体温も上がります。
しかし、脳は酔っぱらっています。つまり麻酔が効いているわけですね。そこで調子に乗って体温を放出していると、予定の体温より下がってしまう。「これはヤバイ、これ以上に体温が下がったら、死んでしまう」と、脳としては体温放出を止め、慌てて血管を閉めにかかるのです。そのため、血流障害が生じ、痛みがひどくなります。

居酒屋でのビール

寝ていると、夜中から起床時に痛みが出る

日中心臓は馬車馬のように動いて、手足に血液を送り込み、十分な酸素を供給しています。しかし、心臓も休息が必要です。そこで手足を動かす必要のない夜間には、心臓の鼓動が穏やかになり、血圧も低くなります。すると収縮した筋肉には、筋肉に血管が押さえつけられているので十分な血液が供給されず、酸素不足となって筋肉が緊張し、神経を締め付けて痛み始めるのです。これも血圧が低くなると血流が悪くなるから起きる現象です。

寝起きに体調が悪い男性

運動したあとは痛みが悪化する

これは筋肉が収縮していると、その筋肉内の血管が圧迫されて血流量が少なくなり、その少ない血液から運動に必要な酸素を取り込むので、結果として運動すればするほど血液や酸素不足となり、筋肉収縮が強くなって神経を圧迫するため、痛みが悪化するのです。

運動で用いるダンベル

台風が来たり雨が降ると痛みが出る

台風が近づいたり、気圧が低くなると、血圧が一定なので、血圧に押されて血管が広がります。血管が広がれば、血が流れやすくなって、血圧は下がります。「なんだ、血管が広がって、血が流れやすくなれば、いいんじゃないか」と思います。太い血管の中を血液は流れますが、中には筋肉で圧迫された血管もあります。ところが血液は、そんな圧迫されて狭くなった血管など通らず、気圧という周囲圧力が減って通りやすくなった血管のほうを流れるわけです。つまり、これまで筋肉に圧迫されて、他の循環路と2:3で流れていた血液が、他の循環路が広がって流れやすくなったため1:4とか1:5で流れるようになるわけ。血も水ものですから、流れやすいほうを流れますよね。すると今まで、少ないながらもある程度の血液が供給されていた収縮した筋肉は、血液が流れないので酸素不足となり、ますます収縮する。すると神経が圧迫されて痛みが悪化する。これぞ血流の悪循環ですね。

雨の中の通勤風景

適用外の症状との違いとは?

リウマチ・ヘルニア・骨疎鬆症など骨の疾患の痛みは適用外

背骨・骨盤のレントゲン図

鍼の適応疾患は、血液循環障害による疾患です。つまり、リウマチやヘルニアの痛み、骨疎鬆症などは骨の疾患なので、いくら鍼麻酔で有名な鍼であっても一時的な効果しか無く、たぶん三日ぐらい痛みを和らげる程度でしょう。 血液循環障害による疾患とは、例えば、脳出血や筋緊張による神経痛の痛みです。脳出血は頭皮へ刺鍼することで頭皮の血流を改善し、その血管が頭蓋骨内へも繋がっているために出血の吸収を速め、翌日にも出血が消えるとされています。くら脳出血が鍼で改善するといっても、日本で適応症として一般的に認知されているのは画像診断でも異常所見が見当たらない疼痛でしょう。 また急性痛、例えば寝違いやギックリ腰は慢性痛より早く改善が見られ、一回目から大きく改善する事が多いです。鍼で改善する痛みは、血液循環障害による痛みです。つまり筋肉を始めとする軟部組織の痛み。原則として、血流が悪くなると痛みが増すのです。

通院回数の目安

施術して変化が無い場合でも4診目でご判断下さい

鍼をうてば本来はすぐに体に変化が生じます。症状が楽になったり、反対に悪化していても原因の部位にアプローチができている証拠です。このように理想は初診から変化があることです。
逆に大して変化が無い場合もあります。症状の原因だと判断した妥当な所から施術していきますが、初診時の患者さんは緊張していたり、刺激に慣れていないので、感受性を考慮しつつ鍼数は控えめで、細い鍼を用いることが多いのです。よって十分に原因箇所にアプローチできない場合もあります。
変化が無い場合、他の可能性を考え施術方法を変えなければなりません。同じやり方では結果も変わらず、患者さんからの信頼も失うでしょう。例えば、腰下肢痛なら初診時はまずはうつ伏せで腰または腰と殿部、それで変化が無ければ、2診目は下肢を加える。それでも駄目なら、3診目は仰向けで腸骨筋や中殿筋、小殿筋の前面に刺鍼する、というように捜索範囲を広げたり、変えたりします。
更に鍼が細いと筋肉を緩める力も弱いです。かと言って最初から太い鍼を受けるのは辛い場合もあるので、徐々に太さを上げます。

それを考慮すると4診目が良いかと考えます。それで変化が無ければ、当院で改善する見込みは低いので、継続は患者さんご自身で判断頂くか、他の医療機関をおすすめする場合があります。

鍼とマッサージの違い

マッサージももちろん効果的です。でもその効果は限定的です。それで、北京堂鍼灸京都では鍼をおすすめします。理由をご説明しますね。簡単に説明すると、マッサージは体の浅い筋肉(皮膚に近い)には効果的ですが、深層筋(体の中心部に近い)には効果が少なく限界があります。反対に鍼は深層筋をしっかりと緩めることができます。この深層筋を緩めることが、痛み・ダルさ・痺れを取り除くうえでとても大切です。筋肉は何層にも重なっていますが、特に深層筋は緊張しやすいのです。それはなぜでしょうか。浅層筋の筋肉は1気圧しかかっていませんが、それに対し深層筋は外気の1気圧に加え、上にのっている浅い層の筋肉からの圧迫をも受けるからです。
整体・マッサージを受けている様子

更なる圧迫を受けた筋肉は中に通っている血管や神経を圧迫して疲労に拍車をかけます。そして筋肉の働きという面からみると深層筋はパワフルな運動や大きな動きも司りますが、姿勢を維持する役目も果たしています。よって日常生活で長時間に渡って負担がかかり易いのです。そのため、痛み・ダルさ・痺れの原因となっている筋肉が、浅い筋肉である場合もありますが、多くの場合では深層筋が本当の原因の場合の方が多いです。ですから、マッサージではなく鍼によって深層筋の緊張をしっかり緩める事が重要なのです。

安全な施術のために

鍼灸医療安全ガイドラインに基づく標準的な鍼治療では、重篤な有害事象が発生する可能性は非常に低い

鍼は怖いと感じられる方もおられると思います。当院は深刺しますが、解剖の知識無しに刺していたのでは刺鍼事故につながります。
それを防ぐにはどこにどういう器官があるか、どう刺したら鍼先がどこへ向かいどこに刺さるか、それを避けるにはどうしたら良いかを把握してなければいけません。その為には解剖の知識が必要になります。施術の為にも解剖の知識は必要ですが、それよりも刺鍼事故を防ぐ為に解剖の知識が何よりも不可欠です。その知識をベースにして過去に起こった刺鍼事故の症例を集めた本をみて日々勉強しています。
治療の本はたくさん出版されているのですが、この種の書物はまだまだ数が少ないです。我々の先輩が起こした過ちを繰り返さないように学びます。