顎関節症の症状とは
口を開けにくかったり(人差し指から薬指まで指3本分縦に入るかが目安,つまり開口障害)、開けるときに顎関節が痛んだり、ゴリゴリやカクンといった音(クリック音)がでる症状があります。これらが顎関節症の三大症状といわれています。しかし場合によっては口を開けなくても顎関節周りが痛んだり、噛む筋肉(咀嚼筋)である側頭筋がコメカミに位置するために、コメカミが痛むこともしばしばです。それに伴って首や肩のこりや頭痛等の症状も併発します。
顎関節症の症状・原因・構造・鍼施術
口を開けにくかったり(人差し指から薬指まで指3本分縦に入るかが目安,つまり開口障害)、開けるときに顎関節が痛んだり、ゴリゴリやカクンといった音(クリック音)がでる症状があります。これらが顎関節症の三大症状といわれています。しかし場合によっては口を開けなくても顎関節周りが痛んだり、噛む筋肉(咀嚼筋)である側頭筋がコメカミに位置するために、コメカミが痛むこともしばしばです。それに伴って首や肩のこりや頭痛等の症状も併発します。
交通事故やスポーツ等で顎をうちつけたことがある場合や、かみ合わせが悪い場合もありますが、一番多いのはストレスによる噛み締めや歯ぎしりが原因です。我々は緊張状態になると無意識に体が力んでしまいます。そのときにしっかり力が入る様に無意識にかみ締めてしまうのです。
それが続くと睡眠中でも体が休息状態に切り替わらず噛み締めや歯ぎしりとなります。事故やスポーツが原因なら思い当たるふしがあるでしょうが、そうでない場合は無意識にかみ締めている場合が多いですね。
噛むのに使う咀嚼筋が休みなしで、ずっと収縮しっぱなしになりますので緊張し口が開けにくくなります。そこを無理して開けようとすれば痛みが生じます。
そして管楽器奏者もその特性上、顎関節症になりやすいです。
また噛むのに使う筋肉(咀嚼筋)が顎の横や側頭部についていてそれを圧迫します。したがって片側で歯でかんだり、頬杖をついたり、横向きで寝たりというのも原因になりますので左右均等に使いましょう。
顎の関節は蝶番関節といって二つ折りの携帯電話と似た構造になっていますが、携帯電話と違う点は開口するときに顎が前方にすべるように関節の軸が移動します。
また関節なので凸(下顎頭)と凹(下顎窩)がありますが前方に滑る動きをスムーズにするために関節円板という軟骨がクッションの役割をしています。円板に負担がかかると肥厚してしまうので開口するとき引っかかって音がなります。
では、鍼でどういう治療をしてやればいいのでしょうか。咀嚼筋が緊張して収縮しっぱなしで口が開かなければ鍼で緊張をといてやります。治療の際には鍼がうまく入るように少し口を開けた状態で行います。咀嚼筋は側頭筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋の4つです。
側頭筋は文字通り側頭部にあります。こめかみもこの筋肉です。噛みながらこめかみに手をあてると筋肉が収縮するのがわかりますね。下あごを挙上する働きがあります。
咬筋はその名の通り、咬む為の筋肉で耳の前下方のエラの部分についており、やはり下あごを挙上する働きがあります。
内側翼突筋の場所は顎の骨の内側についており、外側からは触りにくいです。下あごを挙上する働きと顎を左右に動かして歯ですりつぶす時もこの筋肉が働きます。
外側翼突筋は上頭と下頭があり顎を左右に動かして歯ですりつぶす働きと、開口のときに上頭は関節円板を下頭は下顎頭を前方に滑らせる働きがあります。
ツボでいうならば上関は直刺なら側頭筋、少し下を向けると側頭筋と外側翼突筋の上頭。下関で少し下を向けて咬筋→側頭筋→外側翼突筋の下頭。頬車からは内側翼突筋。聴宮は関節円板。側頭筋なら率谷から太陽に向けて前方へ向けて横刺、咬筋は大迎周辺のシコリになったところに刺します。
また場合によって、開口する働きのある顎二腹筋の後腹をアプローチするのに側頸部もゆるめます。