鍼灸の本を読む
目次


本の入手方法

鍼灸の勉強の為には本を読むのは不可欠ですが、専門書は大概高価で気安く買えません。ではどうしたらいいでしょうか。

①借りて試し読みする
②中古で買う

①は地域の図書館のHPへ行き蔵書検索します。私自身京都市図書館京都府立図書館のサイトによくアクセスします。知り合いに鍼灸学校の学生がいれば,学校の図書館で借りてきてと頼むのもいいですし、母校の図書館に出向くのもよいでしょう。また、近所に国公立の医大が市民に開放していれば,その図書館を利用します。希望の本がなければリクエストします。
 
②中古で買う場合はオークションまたは古書店をチェックします。
Ritlwebオークション検索はヤフオクを初め、他のオークションサイトも一斉に検索してくれます。
メルカリヤフオクに比べると扱っている数はまだまだですが、これから増えるでしょう。
 オークションの良い点は値段が相場より安いこと、悪い点は欲しい本が出品されているとは限らず定期的にチェックするので手間がかかります。
  
ブックオフオンラインネットオフは一般書がメインなので、鍼灸に関する本は少ないですが在庫があればラッキー。値段は安いです。アマゾンは反対に高いですが、レビューやデータベースとして重宝します。また注文が煩わしくなく気軽に頼めますね。

古本屋さんの横断検索 スーパー源氏 日本の古本屋横断検索は一気に多くの店での検索ができ非常に便利。
いざわ書林 ノースブックセンター 木村書店 鶴本書店は私が以前購入したことのある書店。

亜東書店激安中国語書店は中国の本を取り扱っています。
 
新書をチェックしたり、試し読みするにはやはり大型書店に足を運ぶしかありません。京都駅前なら、アバンティブックセンターThe Cubeの三省堂イオンモールの大垣書店、四条界隈では富小路角のジュンク堂と河原町のBALにある丸善に行きます。

書評


「プロメテウス解剖学アトラス」解剖学総論・運動器系 
「プロメテウス解剖学アトラス」頭部/神経解剖 
「プロメテウス解剖学アトラス」頸部/胸部/腹部・骨盤部 医学書院


この3冊は綺麗なイラストで見やすいので筋肉なら筋腹の太い部分や腱への移行部、神経、血管の走行がよくわかり疾患を見立てたり、鍼をうつのにも参考になります。また要所に輪切りにした断面図が載っていたり、解説がつけられていたりと、解剖書のベストセラーに相応しい。

 

「鍼灸師・柔道整復師のための局所解剖カラーアトラス」 南江堂


治療だけでなく刺鍼事故防止にも役立つ1冊。動脈、静脈、神経が細かく色分けしてあります。後頸部や肩背部のページは安全に刺鍼する為には鍼灸師必読じゃないでしょうか。いい本だが絶版になったのか、店頭では最近みかけません。アマゾンや古書店でしか購入できないと思います。絶版になると中古価格で膨大に上がることがあるので見つけたら買っておいたほうがいいかもしれません。
平成24年3月に改訂第二版が出たようですね。表紙も一新されました。字が大きくなって読みやすくなったが、少し削除された部分もあったようです。

「刺鍼事故 処置と予防」 三和書籍


過去に中国で起こった刺鍼事故の経緯とその原因、またそれを防ぐためにどうすればいいか、というのが詳細に記されている。まさしく、刺鍼事故に特化している。治療法の本は多いが、まだこの種の本は少ない。起こった事故を包み隠さず掲載して、それに対しどうすればこの事故が防げたかというのが丁寧に説明してあります。治せる治せないでなく、それ以前の安全な刺針を勉強する価値ある1冊だと思います。

 

「断層解剖カラーアトラス」 南江堂


御遺体を輪切り専門の解剖書。人体はもちろん立体なので鍼をどの向きで刺すと鍼尖がどこを貫いてどこへ向かうのかというのを把握するのに役立つ1冊。同じ位置の断面でも体は人それぞれ違うなというのがよくわかる。あと、写真によって性別が記されているので、男女の筋肉の付き方が違うのがわかります。リクエストをするならば、マス目をつけて深さ何cmでここに向かうというのがいていればいいなと思います。

 

「肉単(ニクタン)」 NTS


一番良いところは携帯性。コンパクトサイズなので持ち運びしやすいし移動で読んでても手が楽。かつ内容は最低限網羅しており、イラストもみやすいです。さすが携帯用解剖書のベストセラー。ページ数はそんなに多くなく下についている目次が便利なので、患者さんに筋肉を説明するときにさっと目的の筋肉にたどり着く。

肉単
 
柳谷一本鍼

「『柳谷秘法一本鍼伝書』現代臨床に活かす素霊の一本鍼」 ヒューマンワールド


1946年に出版された「柳谷秘法一本鍼伝書」を現代の臨床に用いるにはどうしたらよいか、著者の提唱する治療法とどんな関係があるかをまとめた本。経絡治療の誕生に大きな影響を与えたとされる柳谷素霊。この本によると意外に腰や腹部に3寸鍼を使っていて興味深い。オリジナルの「柳谷秘法一本鍼伝書」は薄い本なので最小限の説明になっていますが、本書はそれに対し詳しく解説がなされているので臨床で使いやすいです。

臨床解剖断面アトラス

「臨床解剖断面アトラス」 三輪書店


こちらも、御遺体を輪切りにして断面にした写真集。この本の一番良い点は体表からの距離がわかるようにメモリがついていることです。深刺するのにすごく便利です。更に中古価格では2000円台になっているのがありがたい。あえて注文するなら同じ輪切りの仕方でも一冊で何体かを比較できればうれしいですね。

柳谷一本鍼

早わかり経外穴 110選」 源草社


本書は日本では珍しい経外穴を解説した本。経外穴とは十四経361穴以外の穴名であり、古代の経外奇穴と現代の新穴を合わせたもので、1000穴以上ある中から厳選した110穴を掲載している。経穴名の由来から取穴法、局所解剖、刺灸法、主治、文献抜粋や、筆者の体験談まで丁寧に解説されています。コンパクトで携帯性に優れているのもおすすめです。

柳谷一本鍼

「まんが経穴入門」  医道の日本社


鍼灸学校時代に初めて買った本。漫画でどうこうというよりは、経穴の名前の由来の成り立ちが詳しく書かれています。由来がわかると、400近くある経穴もすごく覚えやすいですし、取穴法や主治、東洋医学の考え方に関しても入っていきやすい。鍼灸学校の学生や東洋医学に興味がある人にもおすすめです。経穴の源流をさかのぼってみましょう。

ひとを治療するということ

「ひとを治療するということ~43人の東洋医学臨床家の治す悩み克服法~」  医道の日本社


鍼灸学校に入りたての頃に買った本です。
サブタイトルが「43人の東洋医学臨床家の治す悩み克服法」と表記されている通り、治療効果が上がらなかった時の経験談も書かれていますが
それだけではなく鍼灸師としての43通りの半生が綴られています。
弟子入りしたり留学したり、医療機関で勤めたりと、各々の今に至るベースが書かれており、右も左もわからず鍼灸師としての将来像が描けなかった当時の自分には非常によい教科書でした。当時何度も読み直した事を今も覚えています。
『医道の日本』で96年から2000年までに連載された原稿を加筆修正した
ものなので、今読むと若干ギャップを感じるものの、鍼灸学生や若い鍼灸師の羅針盤になってくれる1冊です。

腰痛放浪記 新潮文庫

「腰痛放浪記 私の椅子が怖い」  新潮文庫


一般書だが売れっ子作家で多忙な日々を過ごす夏樹静子さんが原因不明の腰痛で3年間悩まされていた体験記。
ひと通りの治療は試したもののはっきりとした改善はなかなか見られない。そもそも原因がはっきりしないので手探り状態なのがよくわかります。

あまりにもよくわからないので心の病だとか霊の仕業なのでお参りをしなければならないとかという話もありました。
最後は心療内科で心身症と診断され絶食療法と自らを催眠にかける自立訓練で治りました。