鍼灸で改善する理由


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目次
 ①鍼



何故、鍼でなぜ症状が改善するのでしょうか。

 
結論から言うと、緊張した筋肉に鍼を刺入すると凝り固まっていた筋肉が緩み血流が増します。それによって症状が改善します。

それではなぜ血流が増すと改善するかを
説明します。
巷では血の巡りを良くしなさい、とよく言われています。テレビの健康番組でもよく耳にしますよね。

そもそも血液はどんな役目をしているのでしょうか。

血液は体の中を巡り組織に酸素と栄養を供給し、代謝によって排出される二酸化炭素や老廃物、そして痛み物質を回収する役目を担います。

 
血管は筋肉の中を通っているので、筋肉がこって血管が圧迫されて血行が悪くなるのです。ホースが踏まれると中を通る水の流れが悪くなるのと一緒ですね。
血行が悪くなると血液の役目を十分果たせません。つまり酸欠、栄養不足、加えて老廃物、痛み物質が蓄積してしまいます。

 
そうなると筋肉を緩めるのに必要なエネルギー(≒ATP)の代謝不良につながりエネルギーが十分に産生されず筋肉は緩みません。
 
ですから刺鍼して血行を良くする事が筋肉を緩める橋渡しになります。この筋肉を緩めるということが鍼の存在意義ですね。
 
話が戻りますが、筋肉がこると血管だけではなく神経も圧迫を受けます。
 
神経が圧迫を受けるとどうなるのでしょうか。
 
まず感覚神経であれば違和感から始まり、ハリ感、重ダルさ、痛み、しびれ、最終的には感覚の麻痺がおこります。

次に運動神経なら絶えず筋肉が緊張しっぱなしであったり、体を動かし辛くなります。

 
このような事が続くと、、、

筋肉の緊張⇒血管・神経が圧迫される⇒血流不足・痛み⇒血流不足による痛みの慢性化 ⇒痛みにより身を固くする⇒筋肉の緊張

という痛みの悪循環になります。

そこで鍼でこの悪循環を断ちきり改善を図るわけです。

ちなみに自律神経が圧迫されると不眠やイライラ、胃腸の調子が悪くなったり、便秘や息苦しさ、動悸等の自律神経症状がでます。耳を司る内耳神経が圧迫されれば耳鳴りや難聴、めまいがおこり、筋緊張により血管、神経が圧迫されて出る症状をここでは筋肉絞扼障害と呼びます。
 
 
そしてもう一つ鍼で改善する理由の柱となるのが
 
・転倒や打撲、引っ張られたり、圧迫等、人体に強い力が加わる
・運動器疾患の病変
・手術による損傷
・治癒後の機能障害が残る
 
上記の様な事があると筋肉を包む筋膜同士、筋膜と骨または靭帯、神経、血管が癒着します。
また瘢痕化と言って筋肉が血管の数が少なく、柔軟性に乏しい組織に置き換わる事もあります。
このように筋肉を始めとする軟部組織が損傷するのです。
 
すると動きが制限されたり、動かしたときに血管や神経に張力が加わると、痛み、だるさ、しびれ、腫れぼったさが起こり、癒着や瘢痕化を起こしている筋肉は萎縮したり、太くなったり、短くなったり、柔軟性が乏しくなってしまいます。
 
これは中国人整骨科医の朱漢章が提唱しました。
 
このような損傷部位を刺鍼することで癒着を取ったり、瘢痕化した筋肉を元の状態に戻してやることで症状が改善します。
 
この筋肉絞扼障害と軟部組織損傷、この2つの理論に基づき鍼によって症状改善が期待できるというのが当院の考えです。


灸編


次に灸ですが、灸はすえ方で体に与える影響が異なる為に効果が期待できる疾患も違います。
 
まず1つ目は無痕灸(温灸)。
皮膚に台座等を介したりしてすえる方法で、もぐさが皮膚に直接触れていないので跡がつきません。温熱とよもぎの成分が皮下に伝わり、血管が拡張し血行が良くなり筋肉を緩める働きがあり、鍼と同じような働きです。
 
せんねん灸や棒灸もこの無痕灸になります。
 
 
そんな無痕灸ですがセルフケアとしては良いでしょう。
せんねん灸は薬局やオンラインでも手に入りやすく手軽に家でできます。
 
しかし当院ではあまり使用しません。というのは温熱の作用が深部には届き辛いからです。
腰痛、肩こりの患者さんが多いのですが、そのような症状に代金を頂戴した分の結果を出し辛いかなと思います。やはり浅深自由な鍼に軍配が上がります。
 
ではどういう時に当院では無痕灸を使うのか。
患部が浅部で、鍼を刺すと痛い手足の末梢部に用います。具体的にはバネ指の時に局所となる掌や、末梢神経に軽い刺激を与える意味合いそして逆子矯正では小趾の角にある至陰にすえます。同じ意味でテニス肘で外側上顆にすえるのも良いでしょう。
 
 
次に2つ目は有痕灸。
こちらはモグサを手で捻り皮膚に直接すえます。そして線香で火をつけるとチクっとした熱感を一瞬感じます。
このようにしてⅠ度から浅達性のⅡ度の熱傷を作る事でタンパク質が変性し、白血球が増加するので、免疫が暴走して自分の体を攻撃するのを防いだり、落ちている免疫力を上げたりする働きがあります。
 
実際に当院で使うのは円形脱毛症の脱毛部であったり、喘息の時に背中にすえます。また養生的にカゼ等感染症の予防に用いても良いでしょう。
 
このように無痕灸は浅鍼は似たような働きがあるものの、鍼と灸はどちらが良い悪いというものではなく、働きが違うので疾患により適応不適応が別れます。