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鍼治療が効く症状の特徴

 

①お風呂に入ると痛みが和らぎ、冷やすと悪化する。

温めると、その部分の温度が異常に高くなるので、その熱を血液で他所へ持って行くために、血管が拡張して血液循環が良くなります。
だから温めて痛みが和らげば、まず血液循環障害なので、鍼治療の対象です。
逆に冷えると痛みます。中国医学では「温まれば血流が良くなり、冷えれば血も凝固する」といって、曇りや雨など、寒い日に鍼治療してはならないと書かれています。
 

②酒を飲んでいる途中や翌日に悪化する

酒を飲むと血液循環が良くなるから、痛みが悪化するはずがないと思いたいのが人情です。



確かに酒を飲むと、人間の毛細血管が広がって赤くなり、体温も上がります。しかし、そのあとで寒気を感じます。


これはアルコールが発熱し、熱を逃がすために体表の血管が広がって赤くなり、体温が上がりすぎないように一定に保とうとするからです。
しかし脳は酔っぱらっています。つまり麻酔が効いているわけですね。そこで調子に乗って体温を放出していると、予定の体温より下がってしまう。
「これはヤバイ、これ以上に体温が下がったら、死んでしまう」と、脳としては体温放出を止め、慌てて血管を閉めにかかるのです。そのときに鍼で広げた血管まで閉められてしまうのです。それで鍼の治療効果はストップ。
このときに体温が下がりすぎるから、寒気を感じるわけです。飲んでなければ雪の中でも凍傷になるだけなのに、飲んでいると凍死してしまうのは、アルコールが入ると血管を閉めず、体温が下がりすぎてしまうからなのでした。

それで中国医学では「飲んだものに鍼するな! 鍼したあとに飲ませるな!」と諫めています。これも血流です。



③寝ていると、夜中から起床時に痛みが出る。


寝ていれば、使っているわけでなく、むしろ休めているのに痛みが出る。これは非常に不思議です。
実は、人間は夜行動物ではなかったのです。

だから日中にエサを探すなど動き回り、夜はおとなしく眠っていたのです。動き回るとなれば、心臓は馬車馬のように動いて、手足に血液を送り込み、十分な酸素を供給しなければなりません。
しかし心臓も休息しなければ疲れてしまいます。そこで手足を動かす必要のない夜間には、心臓の鼓動が穏やかになり、血圧も低くなります。
すると収縮した筋肉には、筋肉に血管が押さえつけられているので十分な血液が供給されず、酸素不足となって筋肉が硬直し、神経を締め付けて痛み始めるのです。
これも血圧が低くなると血流が悪くなるから起きる現象です。



④運動したあとは痛みが悪化する


これは筋肉が収縮していると、その筋肉内の血管が圧迫されて血流量が少なくなり、その少ない血液から運動に必要な酸素を取り込むので、結果として運動すればするほど血液や酸素不足となり、筋肉収縮が強くなって神経を圧迫するため、痛みが悪化するのです。
だから縮んでしまった筋肉は、それに見あう血液量の運動しかできないのです。
これも圧迫された血管の血流量が少ないから起きる現象です。


⑤台風が来たり雨が降ると痛みが出る。


台風が近づいたり、気圧が低くなると、腰痛や頭痛の起きる人があります。これも血液循環障害です。
まず台風が近づいたり、気圧が低くなると、血圧が一定なので、血圧に押されて血管が広がります。血管が広がれば、血が流れやすくなって、血圧は下がります。
「なんだ、血管が広がって、血が流れやすくなれば、いいんじゃないか」と思います。
太い血管の中を血液は流れますが、中には筋肉で圧迫された血管もあります。ところが血液は、そんな圧迫されて狭くなった血管など通らず、気圧という周囲圧力が減って通りやすくなった血管のほうを流れるわけです。
つまり、これまで筋肉に圧迫されて、他の循環路と2:3で流れていた血液が、他の循環路が広がって流れやすくなったため1:4とか1:5で流れるようになるわけ。血も水ものですから、流れやすいほうを流れますよね。
すると今まで、少ないながらもある程度の血液が供給されていた収縮した筋肉は、血液が流れないので酸素不足となり、ますます収縮する。すると神経が圧迫されて痛みが悪化する。これぞ血流の悪循環ですね。
 こうした症状に心当たりがあれば、それは鍼を縮こまった筋肉へ入れて緩めることにより、圧迫された神経と血管を開放し、治癒できる症状ということです。


鍼治療が効く症状のまとめ


鍼の効く疾患は、血液循環障害による疾患です。つまりリウマチの痛みやヘルニアの痛み、骨疎鬆症などは骨の疾患なので、いくら鍼麻酔で有名な鍼であっても一時的な効果しか無く、たぶん三日ぐらい痛みを和らげる程度でしょう。
血液循環障害による疾患とは、例えば脳卒中とか神経痛の痛みです。
脳卒中は、脳の血流障害によって発生した疾患なので、頭皮へ刺鍼することで頭皮の血流を改善し、その血管が頭蓋骨内へも繋がっているために出血の吸収を速め、翌日にも脳内出血が消えてしまいます。日本では、いくら脳卒中に鍼の効果があるといっても、一般的なのレントゲンでも判らない神経痛でしょう。
また急性の寝違いやギックリ腰などは一発で治ります。来たときは杖をついてきていても、また頸を回すことが出来なくても、鍼を抜いた途端に自由に動けるようになり、頸を回すことが出来るようになるのです。もっとも、こうした急性症状に対する一発効果がなければ、恐らく鍼は廃れてしまっていたでしょうが……治癒率は100%です。
脳卒中の鍼治療は、鍼をした翌日には出血がなくなっているので、視覚的にはよい教材です。しかし神経痛ではMRIで見ても、治っているかどうか判りません。鍼で治る痛みは、血液循環障害による痛みです。つまり筋肉の痛み。筋肉の痛みかどうか知るためには、自覚症状に頼らなければなりません。原則として、血流が悪くなると痛みが増すのです。